障害受容のプロセス

 

 

■障害の事実を知ったとき、人の気持ちはどうなる?


 自分自身や家族、パートナーなどが、病気や事故の後遺症によって、または生まれつき「障害」があると知ったとき、その事実を受け入れるまでには、次のような5つの心理的プロセスをたどると考えられています。社会福祉や障害者福祉に携わる人に知られる「障害受容のプロセス」です。分かりやすくまとめると、次のような内容になります。

 


1. ショック期
事実を知ってショックを受け、なすすべもなく呆然とする。


2. 否認期
「そんなわけない!」などと強く否定し、認めたくないという気持ちになる。


3. 混乱期
否認できない事実と受け止め、怒りや悲しみで心が満たされ、強く落ち込む。


4. 解決への努力期
感情的になっても何も変わらないと知り、前向きな解決に向かって努力しようとする。


5. 受容期
価値観が変わり、障害を持って生きる自分自身を前向きに捉えるようになる。

 

 


 「受容のプロセス」と同じように、事実を知った後はしばらくの間、複雑な感情が激しく噴出します。しかし、その感情を十分に経験した後に、冷静になって現状を受け入れるように変遷していきます。

 もちろん、すべての人が同じような心理的プロセスを経験するわけではありません。しかし、多くの当事者にこうした心境の変遷が現れると考えられています。

 


■支える側の複雑な心情はどうしたらいいの?

 


 では、「大切な人」がこうした事実に遭遇したときには、どう接したらいいのでしょう? 当事者と同じように動揺し、特に初期には、同じような心理的プロセスをたどっていくことが多いと思われます。しかし、支える側には「当事者の感情を受け止める」という重要な役割があります。そのためには、気持ちを切り替えることが大切ですが、その難行を1人で行うのは非常に困難です。


 まず、支える側が自分自身の複雑な心情を受け止めてもらうことが必要になります。病院や専門機関のソーシャルワーカーなどに自分自身の不安な気持ち、やりきれない思いをすべて打ち明けましょう。専門家なら必ず気持ちを受け止め、支えになってくれるはずです。冷静さは、感情を吐露し、その感情をまるごと受け止めてもらうことで取り戻すことができます。


 余命や障害などの事実を知ったとき、当事者が支えを期待するのは、多くの場合、やはり当事者がいちばん愛し、信頼している人でしょう。その相手をしっかり支えられるよう、当事者と同じように湧いてくる複雑な感情を、まずは専門家にしっかり受け止めてもらうことから始めていきましょう。そのうえで、よりよい支援の仕方を一緒に考えていくことです。

 

 

 

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